コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのシャンボール・ミュジニー 2015を味わう

ワインの開栓から数日間の変化と魅力

ブルゴーニュワインの中でも高い評価を受けるシャンボール・ミュジニー。その中でも、名門ドメーヌであるコント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエの2015年ヴィンテージを味わう機会に恵まれました。このワインは、開栓直後から数日間にわたり、印象的な変化を見せてくれました。

初日の印象:意外な濃さと力強い渋み

コルクを抜き、グラスに注いでみると、驚くべきことにブルゴーニュワインとしては異例とも言えるほど濃い赤色が広がりました。ブラックベリーのような深みのある色合いがあり、粘性も強め。香りはブルーベリーやブラックベリーの果実味豊かなニュアンスに加え、すみれの繊細なフローラルな香りが感じられました。また、蜂蜜のような甘やかなアロマが漂い、複雑な香りのレイヤーを持っています。

味わいは意外にもジュブレ・シャンベルタンを思わせるような力強さを備えていました。酸とタンニンがはっきりと感じられ、シャンボール・ミュジニーらしいしなやかさよりも、骨格のしっかりした構成を持つ印象です。しかし、そのポテンシャルを考えると、時間をかけて開いていくことで本来の魅力が現れる予感がしました。

翌日:渋みの緩和と柔らかさの兆し

24時間が経過すると、タンニンが少し落ち着き、より丸みを帯びた味わいに変化。果実の甘みと旨味が強調されるようになり、よりシャンボール・ミュジニーらしいエレガントな表情を見せ始めました。長い余韻の中にミネラル感が際立ち、ワインの持つエネルギーと洗練された構成のバランスが見えてきます。

翌々日:甘美な調和と真価の発揮

さらに時間を置くと、角が取れ、より官能的なシャンボール・ミュジニーらしい繊細で優雅な味わいへと変化しました。果実の甘み、心地よい酸、そして深みのある旨味が見事に調和し、極めてエレガントなワインへと昇華。グラスを傾けるたびに、その魅力が開花するのを感じることができました。

まとめ:時間とともに花開く優雅なワイン

コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのシャンボール・ミュジニー 2015は、開栓直後から数日間の時間をかけて、その本質を明らかにしていくワインでした。初日の力強さから、翌日のバランスの変化、そして翌々日の優美な調和へと進む過程はまさに芸術。しっかりとした骨格を持ちながらも、時間の経過とともに柔らかく開いていくこのワインの魅力は、シャンボール・ミュジニーを愛するワインファンにとっても非常に興味深いものです。

ワインの持つ奥深さと時間による変化を楽しむことができる一本。ゆっくりと味わいながら、その魅力を存分に堪能することをおすすめします。

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